MHA仕事の役割ベーシック講座


✳️スタイリスト

 

☆仕事内容

 主にカットを担当。他にはアシスタントやジュニアスタイリストに指示を出す。

 

☆お客様の印象

自分のヘアスタイルの最終的な理解者。

 

☆サロンでの役割

提案するスタイルに応じて、ジュニアスタイリスト、アシスタントの仕事で必要な指示を出す。指示出しの時は、明確かつ簡潔にすることがポイント。お客様からは常にスタイルの提案力や技術者としての相性をチェックされているので、お客様の気持ちを考えたアプローチを心がける。また、ジュニアスタイリスト、アシスタントが得たお客様の情報も収集し、場合によっては、提案するメニューも変更する柔軟性も求められる。ヘアスタイルの総監督。

 

✳️ジュニアスタイリスト

 

 ☆仕事内容

主にカラー、パーマ施術を担当。

 

☆お客様の印象

接している時間が一番長いので、お客様が意見や要望を言いやすい存在。

 

☆サロンでの役割

施術全体を通してお客様に接している時間が長いので、お客様の声を拾いやすい。お客様の本音を聞き出し、スタイリストに伝えるとともに、スタイリストからの指示をお客様に分かりやすく噛み砕いて伝える必要性がある。さらに一度に複数のお客様がいるときは、それぞれのお客様の施術進行を管理する。スタイリストとお客様をつなぐクッション役。

 

✳️アシスタント

 

☆仕事内容

主にシャンプー施術を担当。

 

☆お客様の印象

サロンの中で最初に施術する存在。

 

☆サロンでの役割

シャンプーは、お客様が来店して初めてする施術。そのため、お客様の気持ちをリラックスさせることを心がける。さらにシャンプー施術中には、お客様のシャンプーやトリートメントの履歴を聞き、髪質に合った選定をアドバイスすることも大切。その他にもお客様に雑誌を出したり、誘導したりする役割もあり、おの目に触れることが多いので、お客様に好印象を与えられる対応を意識する。サロンのムードメーカー。  


スタイリストのテーマ


✳️ 月間売り上げ50万円

 

☆1日平均 

  • 4人~

☆メニュー

  • メニューは技術別にお客様が選べるだけのバリエーションがある。
  • お客様が見ただけでメニューの特徴がわかるようなメニュー名になっている。
  • 店外へのメニュー告知をおこなっている。(メニュー表掲示、メニューチラシ)

☆システム

  • 新規来店のお客様に次回も来店していただくための仕組やツールがある。
  • いつもせいけつで明るい店づくりができている。
  • お客様に必ず、キャンペーン等催事の案内をしている。
  • 朝礼・終礼を毎日きちんと行っている。
  • お客様のお出迎え、お見送りをしっかりしている。
  • 年間のキャンペーン計画をたて、予定通り実行している。
  • お客様一人ひとりのカルテがしっかりと記入されている。
  • 1ヶ月ごとの売り上げ目標が明確になっている。
  • メニューブックが用意されている。
  • お客様が“お直し”に来たり、“クレーム”を言いやすくするための仕組みがある。

☆スタイリスト

  • 自分のスタイルブックを作成しカウンセリングに活用している。
  • 全メニューの作業工程と料金を完全に把握している。
  • カウンセリング時に最終スタイルイメージが完璧に浮かんでいる。
  • 自分の技術向上のためのレッスン時間をきちんととっている。
  • 1ヶ月の平均担当売り上げをきちんと把握している。
  • カウンセリング時に(事前に)料金をお客様にお伝えしてから、施術を行っている。
  • お客様との会話中“でもね”というような否定語を使わないよう気をつけている。
  • お客様に次回来店日の提案を行っている。
  • お客様とは世間話ではなく、スタイリング方法やヘアケアのこと等、美容に関する会話を優先している。
  • 自分の月平均売り上げをきちんと把握している。
  • お客様に名前を覚えていただく努力をしている。
  • お客様を名前で呼んでいる。
  • スタイルカウンセリングは必ず、シャンプー前に行っている。
  • お客様一人ひとりに合わせた接客方法を常に意識している。
  • 1日の目標担当人数を決めている。
  • お客様が初めて体験される技術は安心していただけるよう、施術時に必ず説明を行っている。

✳️ 月間売り上げ70万円

 
☆1日平均
  • 5人〜15人
 
☆メニュー
  • 定期的にメニューの見直しや新メニューの開発を行っている。
  • お店に“このメニューには自信がある”という1番メニューがある。
  • 他店にはない効果を伴ったメニューを持っている。
  • トレンドスタイルをつくるためのメニューがきちんとある。
  • スタイルに合わせた複合メニュー提案ができている。

☆システム

 

  • 紹介客を増やすためのキャンペーンや仕組みがある。
  • 終礼時にスタイリスト個人の売り上げが明確になるようになっている。
  • 担当者は、カルテを確認してからお客様に接している。
  • 月間・年間の売り上げ目標を全員が常に意識している。
  • スタイリストとアシスタントの仕事の分業化ができている。
  • サロンの年間計画書を作成している。
  • お客様がスタイリストを選ぶことができる指名システムがある。
  • アシスタントがすぐに正確に動ける指示をしている。(薬剤・ロッド・テンション・タイム等)
 
☆スタイリスト
 
  • アシスタント一人ひとりの技術レベル、施術時間、会話力等の把握をしている。
  • 自分自身の失客の一番多い層(スタイル・年齢・メニュー別)を把握している。
  • 営業時間以外にもアシスタントと仕事につながる話をしている。
  • 担当した新規のお客様は10人中3人が60日以内に再来店されている。
  • 最新の技術テクニックを常に勉強している。
  • アシスタントに任せた仕事の最終チェック・手直しは完璧にしている。
  • 自分の技術別の施術時間を把握している。
  • 美容専門誌を毎月1冊以上読んでいる。
  • お店に置いているファッション誌はすべて読んでいる。
  • 自分の技術面での課題を把握している。
  • お客様の今日のスタイルだけでなく“将来どうなりたいというスタイル”を把握して対応している。
  • お客様の来店サイクルに合わせて次回来店提案をしている。
  • 技術結果だけでなく、技術フォームや振る舞いからも技術者として安心されるようにしている。
  • お客様なスタイリング方法の問題で点を解決するようなアドバイスをしている。
  • 自分自身がよく見られるよう、ファッションに気をつかっている。
  • 必ず、スタイルの“賞美期限”と“期限を過ぎた時の問題点”をお客様に伝えている。
  • スタイルブックのスタイルはテイスト別に分類されている。
  • 紹介で1か月に20名以上新規のお客様がくる。
  • お客様一人ひとりの来店サイクルを把握してスタイルの提案を行っている。

✳️ 月間売り上げ100万円


☆1日平均

  • 15〜

☆メニュー

  • 何人ものお客様から知人に紹介・宣伝してもらってるような(ファン化)されたメニューがある。
  • 時間短縮を考えたメニューづくり(メニューの見直し)ができている。                     
  • 継続してスタイルプランが組めるメニュー揃えができている。


☆システム

  • カウンセリングを短縮するためのツールとノウハウが整っている。
  • 雑誌等への掲載アプローチを行っている。
  • 予約優先システムができている。
  • カット以外はアシスタントにまかせることができる教育システムがある。


☆スタイリスト

  • カウンセリング前でも、お客様の服装・顔・雰囲気・態度等を見て似合うスタイルが提案できる。
  • 1日の担当顧客の予約状況をすべて把握している。
  • お客様に似合うスタイルを10分以内にカットできる。
  • 自分の施術時間短縮のための努力をしてる。
  • 1日の担当客数のほとんどが指名客である。
  • 最新の技術テクニックをマスターして、お客様にいつも提供している。
  • スタイルブックは、アシスタントと(連係をよくするために)共有化できている。
  • お客様から質問されたり、相談されることが多い。
  • 信頼して“おまかせ”で対応してくれるお客様が多い。

来店サイクル アプローチ


✳️ 来店サイクルに応じたアプローチのポイント

来店回数によって、お客様の心理は変わっている。それは、サロンスタッフに対して求める要望も変化しているということてもある。お客様のニーズをデザインし、プラスアルファの提案をどうすればよいか。それにはまずお客様が話しやすい環境をつくることが大切。あいさつをする、言葉使いに気をつけるなど、基本的ルールの他に、スタッフの立場によってお客様への対応と役割を明確にすることが重要です。

✳️第1回来店時

☆お客様の傾向とサロンでの対応

初回来店時の場合、お客様はどれだけ望みのスタイルに仕上げてくれるかを気にしている。そこで、まずは、お客様の望みのスタイルを明確にし、そこから、個別の素材条件に合わせて、希望のスタイルに近づけることが望ましい。技術者が見て似合うと判断できても、再現性に無理のあるスタイルは避けたほうが良い。初回は特に長いスパンで、お客様をキレイにしていく姿勢が大切になる。
  

☆スタイリストの対応

1.ジュニアやアシスタントの役割を伝え、スタッフ全員でアプローチしていることを伝える。 
2.初回は、特にお客様の要望は重視。口には出さない「潜在的な要望」も拾うように心がける。     
3.お客様が話しやすい環境をつくる。 
4.「どのようなスタイルでも対応できますよ」という柔軟性をアピールする。 
5.会話はお客様から聞き出すようにする。お客様をリラックスさせるように心がける。 
6.仕上がりの効果を技術的な背景を基に、わかりやすく伝える。 
7.仕上がりのスタイリングのポイントを2、3点アドバイスする(それ以上のアドバイスは、再来店時にお客様が忘れてしまうので)。 
8.特に仕上がりの賞美期限は正確に伝える(お客様との信頼関係を築くため)
☆ジュニアスタイリストの対応

1.お客様をリラックスさせるように心がける。 
2.お客様にはサロンでのジュニアの位置づけが理解されにくいので、自分たちの役割をさり気なく説明する。 
3.アシスタントのシャンプーの具合がどうだったかを確認する。 
4.今回の施術の流れ、デザインの効果などをわかりやすく説明する。 
5.初回は施術時間が長いという印象を特に与えないようにするため、施術はスムーズに行う。 
6.施術の流れ、放置時間など、施術全体をトータルで管理する。 
7.「何かありましたら、私にお伝えください」というスタンスをお客様に伝える。 

☆アシスタントの対応

1.基本的にお客様はサロンにいるスタッフを全員美容師としてとらえている。アシスタントとはいえ、物おじしない明るい対応を心がける。 
2.シャンプー台で施術でお客様の気分は決まるので、お客様のペースに合わせた対応をする。 
3.初回は特に緊張しているので、リラックスさせる方向で「お客様に問いかける」ように接客する。 
4.サロンの雰囲気やスタッフなど、サロンの特色をさり気なく伝える。 
5.お客様のシャンプーの好みを知るために、お湯の温度、マッサージの具合を細かく確認する。 
6.お客様の髪にどんなタイプのシャンプー剤を使用しているのかをさり気なく紹介する。 
7.一方通行にならないような接客で、普段のシャンプーへのアドバイスをする。 
8.初回のお客様だから自分が初めての存在なので、再来店のことも考え、自分がしっかり覚えてもらう。 


✳️ 第2回来店時

☆お客様の傾向とサロンでの対応

再来店した場合、お客様はある程度サロンに付加価値を見出していることが多い。来店回数にかかわらず、この時が一番大切になる。そこでは必ず前回のスタイルの感想を確認することが大切。これをもとに今回のスタイル提案の方向性を考えていく。1回目来店時よりはお客様と信頼関係を築けているが、逆に接客等のきめ細やかさが問われてくる。ポイントとしては、お客様と一緒にスタイルを作っていくという姿勢や、お客様をサロンに溶け込ませるような接客が大切になる。 

☆スタイリストの対応

①1回目来店時の⑥⑦⑧は重複する 
② 1回目に提案したスタイルの感想を聞く 
③スタッフの技術や対応について、さりげなく感想を聞く 
④提案力(スタイル、技術の引き出し)の幅を広げる 
⑤今回チェンジした部分の意図とデザイン効果を解説する 

☆ジュニアスタイリストの対応

① 1回目来店時の①③④⑥は重複する 
②再来店したことで期待感がより高くなり、今回は技量も問われてくるということを意識する 
③スタイリングにはどれくらい時間がかかったかをチェックする(再現性の度合いを知るため) 
④顧客様が使用しているスタイリング剤、シャンプー剤を再度確認してみる 
⑤サロンのメニューを伝える(これによりお客様はメニューの幅を知ることができる) 
⑥特にカラーやパーマの料金等はメニューに応じてわかりやすく説明する(お客様は大リストには料金を聞きづらいので) 

☆アシスタントの対応

① 1回目来店時の①②③は重複する 
②頭皮や髪のダメージの状態を知らせる(より個別的な情報を伝えていく) 
③髪を乾かさないで寝てしまうなど、髪のダメージにつながりかねないことなどをアドバイスする 

✳️ 3回目来店時

☆お客様の傾向とサロンでの対応

3回目の来店時になると、お客様は大きなタイルの変化を求めたくなる場合が多い。この段階では信頼関係もアップしているので、お客様の要望をベースに、技術者が主導権をとってスタイル提案を行う方が望ましい。代表的なアプローチとしては、主にレングスをチェンジ・質感をチェンジ・雰囲気をチェンジさせるの3パターンがある。注意点はあくまでも顧客様への似合わせを前提としたスタイルチェンジであることが大切。お客様との信頼関係の強さによっては、技術者の提案を60%以上の度合いで出せる場合もある。 

☆スタイリストの対応

① 1回目来店時⑥⑦⑧、2回目②③④は重複 
②基本的に1〜3回目(それ以降も)で、カットの時間や接客の態度は変えない 
③お客様のペースに合わせ対応を心がけるが、必要以上に他人行儀な話し方は避ける 
④ 1、2回目よりカウンセリングの時間は短めにする 
⑤お客様の髪のクセの解消など、素材条件的にもう一歩入り込んだスタイル提案の味付けを増やす 
⑥「おまかせ」のオーダーでも、スタイルのディテールの確認は忘れない 
⑦今後のスタイル展開をより明確に伝える 

☆ジュニアスタイリストの対応

①1回目来店時①③④⑥、2回目②は重複 
②これからのスタイルの方向性を一緒に考える姿勢を意識して接客する 
③技術者としてパーマやカラー等の提案があればアドバイスする 
④2回目までのスタイリストの対応の感想を聞いておく 
⑤言葉数より、施術のスピードを上げ自分の技術を見てもらうスタンスを心がける 

☆アシスタントの対応

① 1回目来店時①②③、2回目②は重複 
②接客の対応としては、長く付き合っていただく「メンバーズ」として接する 
③シャンプー施術を楽しんでもらうように、特に丁寧さを重視する 
④不必要な事は話しかけないで、お客様の癒しになる環境を考え、技術に集中する