胚葉学的体質学
体質類型の原型は、紀元前のギリシャ時代にまでさかのぼります。ヒポクラテスが考案した健康状態についての理論「四大体液説」を、医学者ガレノスが、気質分類に発展させ、人間の気質・体質は、四つの体液(血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁)のバランス決まるという「体液理論」を唱えました。
ガレノスの「体液学」をもとに、今からおよそ100年前にドイツの精神病学者、クレッチマーは体型と性格を関連付けた「体型性格論」を唱え、さらにシェルドンが、胚葉の発達と体型、性格を関連付けた、「発生的類型論」を唱え、現在の体質類型の基礎がつくられました。
体質学(胚葉学)とは、三つの胚葉によって、体質の判定をする方法です。
精子と卵子が受精して僕たちは生まれるわけですが、その受精したものを『胚』と呼びます。
胚は細胞分裂をくり返して発達していきますが、2週間目が終わる頃には、3つの層に分かれてきます。一番外側の層を「外胚葉」、真ん中の層を「中胚葉」、一番内側の層を「内胚葉」と呼びます。
この3つの層の役割が体の各組織と対応しているということです。
体質は、生まれ持った先天的な素因と環境や食生活などからの後天的素因とによって作られます。
この体質によってある程度の体調傾向や肌傾向、気質傾向などが判断できます。
体質の差は受精における精子、卵子の選択特性から始まり、受精卵は卵割(細胞分裂)を繰り返し、外胚葉、中胚葉、内胚葉の三つの組織に区分されます。この組織は他と異なる特徴をもっており、この胚葉から体質を判断していきます。
体質は大きく分けて、痩せ型(外胚葉型)、筋肉型(中胚葉型)、肥満型(内胚葉型)の3つの体質があります。
またこの3つをあわせ持った平均型(中間型)があります。この体質を基本に、体調や肌質、気質などを判断していきます。
脳科学の分野では、「性格や思考パターンは遺伝よりも後天的な影響の方がずっと大きい」というのが学会のコンセンサスでもあります。