人気向上ベーシック講座 Ⅲ


✳️ モテる技術

美容師には〝モテる〟という『技術』が、男女問わず必要とされます。
なぜならそれが直接指名売上をあげるスキルにつながるからです。
今回はその〝モテる〟事について。
まず勘違いのないように言うと外見的に「モテそう」ではダメです。
チャラくて中身の薄い、外見だけの人間の事ではありません。
「モテそう」=「若い子にはチヤホヤされそう」=「チャラい」「軽い」
と、お客さんに思われないように、笑
〝いち個人として、相手に好かれる人柄と話術
それが美容師の『モテる技術』です。
モテるには技術が必要です。
あえて狙った事を、狙ったタイミングで行動します。
美容師の『モテる要素』を、めっちゃ簡単にまとめてみると
❶共感❷気配り❸ほめ上手❹ギャッ❺話術❻容姿
この6つのポイントは、主に男性美容師からの目線かと思いきや、女性にももちろん当てはまります。そして私が一番理解してほしい、この中で最も重要視してほしい項目は『共感』という技術。
私があえてこれを『技術』と言ったのにはワケがあります。

✳️ 共感

では前回に引き続き、美容師の〝モテる技術〟について、まずは一つ目の『共感』をより深く考えていきましょう。
①共感
人は誰もが心の中に孤独を抱えているものです。
人の欲求の根本には必ず、
『自分の存在意義を認めてほしい!』
という欲求があります。
すなわち、自分を認めてくれる居場所を求めています。
家庭、職場、学校、その他様々なコミュニティに属する中で、人はそれぞれに対しての隠された顔があります。
そのコミュニティは決して〝自分が全ての思いのままに〟いくはずがありませんので、思いを吐き出すことのできないストレスが少なからずあるものです。
『ストレスを感じる』ということは『自分の欲求が満たされない』ということ。
なので、お客様の好きなモノ行動(仕事・オシャレ等)、さらには環境不満考え方においてまで、同調して共感してあげましょう。
そうすれば、行き場のない『満たされない欲求』が軽くなるのです。
これは特に女性には効果絶大!
女性は割とアドバイスを必要とせず、共感だけを求めているのです。
共感するということで、その時の適切なキーワードとして例にあげると、
『そうですね、私も同意見です。』
『私がもし○○さんの立場なら、同じ事をすると思います!』
『○○さんと同じ事、よく私もしてしまうんです•••』
『私も○○さんのように△△を考えたことがあります』
などなど。
他にも色んな表現がありますが、ポイントは
『私も△△です』という言葉を、感情をこめてオーバーに表現すること。
そして、お客様との会話は【美容師2:お客様8】くらいが理想ですから、決して〝自分のエピソード〟を語らないこと!
そこでペラペラと自分のあるあるエピソードを話してしまうと、ただの井戸端会議になってしまう恐れがありますw
そこまでそのお客様と親しい間柄で無い限り、できるだけ相手から〝喋りたい欲求〟を引き出させるように努める。
結局は、『相手が楽しいと思える会話』はこちら側のトークスキルによるものです。
私たちは接客のプロとして、『共感』というものを根底にテーマにトークスキルを磨くように勉強しなければいけません。

✳️ 気配り

今回は2つ目の『気配り』について。
❷気配り
『気配り』は接客業である私たちにとって基本的な事なので、その必要性は言うまでもない事ですが、ただ、はじめから周囲に気を配れる事が、〝できる人〟と〝できない人〟がいるということが問題。
要するに気が利く人と利かない人がいるのです。
気が利く人は、他人の欲求を察する事ができる。この〝察する〟というのがポイントで、〝察する〟事ができないと、行動をおこせない、すなわち『気が利かない』ことになります。
では他人の欲求を察するにはどうしたらいいか?それは人の欲求パターンを知識として蓄えることです。
簡単に言えば、「人が○○している時は△△を欲している」と覚えてしまえばいいのです。
*お客様がこの表情をしていたら○○してほしい
*女性はこのタイミングで○○という言葉がほしい
*男性が△△している時は○○してほしい
と、覚えてしまうのです。
これらを磨く勉強方は、
①気を配るのが上手な人から学ぶ
②相手をよく観察する
③心理学を参考にする
これに尽きます。
人は、〝相手の立場に立ってものを考える〟ことができないのです。
何故かというと、自分の価値観と相手の価値観は別物だから。
気が利かない人に対して、よく『相手の立場に立って考えなさい』なんてよく言っていませんか??
気が利かない人は、例え相手の立場に立ったところで何も思わないし、想像もできないのです。
だったら初めから、『相手は自分と違って○○と考えているから、△△しましょう』と、ストレートに教えてあげるほうが理解しやすいのです。
『気を配れる』=『知識量の多さ』
特に心理学的な要素は、美容師はもっと勉強すべきです。
その部分は後々、別テーマで書いていきたいと思います。

✳️ ほめ上手

今回は『ほめ上手』になるという事。
〝相手を褒める〟というのは中々難しいものです。
相手を目の前にして、照れずにサラっと褒め言葉を言うのは慣れがいります。
もし「褒めようとしても、わざとらしくなってしまう」というのならば、それは褒め言葉に具体性がないからです。
ただ単純に、〝かわいい〟や〝かっこいい〟ではなくて、〝その○○がカワイイ〟と具体的な部分を褒めましょう。
どの部分を褒めれば良いかは、いかに普段から相手の『ほめポイント』を探しているかによります。    
ではその『ほめポイント』を見つけるコツを二つご紹介します。
1.相手が頑張っている所
頑張っている!と言ってもそんな大げさではなく、その人が努力している部分とでも言いましょうか。
外見なら、『普段から変化のあるポイント』
性格なら、会話の中で『その人が主張したいポイント』
行動なら、『普段キャラじゃない事なのに意識的に動いたポイント』
前々回の記事にも書きましたが、人は自分の存在意義を確かめるために、誰かに認められたい欲求を持っているのです。
すべて〝誰かに評価されたい〟から、何かしらの行動をおこします。
『オシャレをして、美しくなる事で自分の満足を得る』という行動も、元をたどればそうなのです。
ただ、美人は「かわいい」と言われることに慣れていますので、やはり〝努力しているポイント〟を褒めるべきです。
相手の小さな努力に、気づいてあげる存在になりましょう。
2.相手の環境
これは1番見つけやすいポイントです。
世間話から入手できる相手の情報、例えば、 仕事、学歴、家族、コミュニティ、出身地   など。
ただ、ここを褒めるにはより高度な具体性が必要かもしれません。
ただ単に「すごいですね」じゃあ説得力がありませんからね。
何がどうすごいのか?を具体的に褒めるのに、1番簡単な方法は自分が一段下がる事。
褒める相手よりも必ず下の位置でいる事に徹しましょう。
過剰に卑下しすぎる事はないですが、「私にはとてもそこまで○○できません~」程度に自分を一段さげ、相手を持ち上げるコメントをしましょう。
褒める技術に関しては、まだまだたくさんの知識が必要ですが、それはまた別の機会に詳しくお話しします。
とにかく、相手を褒めることに慣れましょう。

✳️ ギャップと話術

今回は『ギャップ』と『話術』についてセットで考えていきます。
まず『ギャップ』について。
人は誰でも〝二面性〟というものを持っています。
陰と陽とでも言いましょうか、要するに『周りに見せている自分』『誰にも見せない自分』があります。
どんなにオープンな人でも、少なからず『本音』と『建前』くらいはあるものです。
接客のプロである私たち美容師は、この二面性をお客様に演出します。
はじめは美容師とお客様の関係、それがつまり建前
お客様との関係が深まれば、人間 対 人間の関係、つまり本音がでます。
できる美容師は、この『建前と本音の二面性』を上手く活用して、お客様に親近感を持ってもらうのです。
例えるならば、
*髪に関しての『美容師の話』と、日常に関しての『世間話』
*かたい『まじめな話』と、おちゃらけた『おもしろい話』
*サロンに立つ『美容師』と、お客様と同じ『消費者』
これらはすべて人間味をだすための『ギャップ』です。
背が高くてイカツイ強面のヤクザ風な男性が、道端に捨てられた子猫を愛おしそうに抱きしめていたら、どう思いますか?w
ちょっと胸キュンでしょう?w
つまりは美容師という第一印象と別の一面を垣間見せること。
美容師はこの『ギャップ』を『話術』でたくみに演出するのです。
お客様は、日頃おもてに出せない愚痴や悩みなどを気がねなく話できる拠り所を求めていますから、そうした親近感が大事なのです。
ギャップを演出するポイントは、二面性の両方とも、〝計算された自分〟で構いません。
けっして腹黒いと思わないでw
すべてのベースは〝お客様を喜ばせるため〟なので、そのための自分(美容師)を演じることが必然なのです。
それに伴って、やはり『話術』というものは、勉強をしないと向上しません。
話術が上手くなければ、どれだけあなたに魅力があっても、より多くのお客様を楽しませることができません。
さきほど説明した『ギャップ』を効果的に演出するのにも話術はやはり必須です。
では話術とはどのようなものか?
話術とは相手とのコミュニケーションを〝意図的に〟円滑にできるテクニックです。
会話でも、ひとり話でも、しゃべることが自分の快楽のためではなく相手を楽しませる話し方をしましょう。


✳️ 容姿

さてモテる容姿とはどうゆう意味でしょうか?
ただ単に見た目が『かっこいい』とか『かわいらしい』だけでは、もちろんありません。
結論から言いますと、魅力ある人に見える外見的テクニックです。
私が今回、『技術』や『テクニック』といった言葉にこだわるのはココがポイントです。
先天的な〝見た目〟ではなく、後天的な〝見せ方〟にこだわる。
要は生まれながらのビジュアルに頼らず、かっこよく見せる方法。
それは『笑顔』です。
いやホントに当たり前かとも思われがちですが、本当に意識して常に笑顔でいる人は、そういないでしょう。
そもそも笑顔というものは本当にすばらしく、自分自身にも様々な効果をもたらします。
笑顔をつくることで内面もポジティブな方向へ働くだけでなく、ストレス解消、血行促進、自律神経の均衡、免疫力向上、脳の血流促進などなど。
それが周りにも影響を与えます。
接客業としても当たり前かと思われる笑顔ですが、特に美容師が意識すべきなのが、黙って作業している時』と、『お客様から離れて仕事をしている時』
お客様と顔を合わせていない、その時こそニコニコと口角と眉を上げることを意識しましょう!
そしてそれがいかにお客様に影響するかを感じるまで実行しましょう。
もしくは、そう部下に指導しましょう。
ある飲食店では、従業員に『笑顔の作り方』を徹底的に改善&指導したところ、改善前よりも売上と入客が3割以上も増した事例が、実証されているそうです。
お客様の目線でスタッフの感じが良く見えるのは言うまでもありませんが、スタッフ自身の質もきっと上がっているのでしょう。
笑顔が上手なひとの周りには、いつもたくさんの人が集まります。
お客様を笑顔にしたければ、まず自分たちが最高の笑顔を作れるように
そうゆう意識や環境をつくることがまず大事です。
さて、モテる技術をいくつか説明したのですが、実はどれも言われてみれば当たり前の事ですが、誰もが実行できていないものばかりです。
各項目でもっと掘り下げて考えるべき内容はあるのですが、まずは簡単にこの6つの項目を常に意識できるよう、自分に、部下に、促してみてはいかがでしょうか。