MHAアドバイスベーシック講座


✳️ 伝える技術
技術の価値を伝えることは美容師にとって大事なことです。
いくらお客様にとって有益な効果をもたらす技術であっても、その価値が伝わらないことには喜んでもらえません。
人気美容師か、そうでないかの違いは、技術のみではありません。
しかし技術がない美容師はいずれ頭打ちになります。
上手な『技術価値』の伝え方、それは
いかにお客様の目的をとらえているか?
ここに尽きます。
自分の技術がいかに凄いか?
どれだけお客様の事を思ってるか?
考えの幼い美容師さんは、やたらこのような『説明』をよくしたがるでしょう。
しかし、そんなものは美容師の自己満足にすぎません。
このような『説明』はもちろん必要なものではありますが、
お客様にとっての〝特別感〟はあまり伝わりません。
要は、その技術が『お客様自身にとってどのような益をもたらすのか?』を目的にそって伝えるべきなのです。
*上手なカットをアピールするのではなく、
そのカットでお客様の手入れが楽になる。
*ただダメージレスなパーマをアピールするのではなく、
痛みの少ないパーマでもちが良くなり、年間のスタイルスケジュールを提案できる。
といったように、
施術をしたその〝先〟を想像しやすくしてさしあげる
これがお客様にとっての〝特別感〟であり、
美容師の自己満足を〝押し付けられた感〟を払拭できるポイントです。
もちろん、事前のカウンセリングで得たお客様の目的を達成するものであるとは前提ですが。
美容師はサービス業であると共に技術職なので、
自分の技術にプライドを持って仕事をすることは重要です。
しかし、これだけ多くの美容室が存在する中で、
お客様に選択される美容師(お店)であるためには、技術の本当の上手さを感じて来店してくれるお客様はごく一部ですよね。
よって美容室が売れるポイントはサービスにあるのです。
サービスとは、購入した後にモノが残らず、効用や満足などを得る、形のない財のことです。
本当にお客様が求めているのは、
技術をサービスとして受け取ることなのです。

by  渡 洋輔 

✳️ ポジショントーク

1.レジ周り:笑顔で優しくはっきりと

2.カウンセリング中:笑顔で優しくお悩みを聞くそして提案

3.シャンプー中:力加減、リラックスしてもらう、シャンプーアドバイスは後でもいい

4.カット中:確認と技術の効果を説明、作業手順

5.カラー中:カラーについてのお話をして楽しんでもらう、色や技術効果、頭皮にも注意

6.パーマ中:今までのパーマの失敗を聴きながら技術効果を説明

7.カラー、パーマ放置時間中:声掛け、髪に合うシャンプー剤の説明

8.トリートメント中:家庭でのケア、ダメージの原因とレベル解説

9.ブロー、セット中:スタイリング方法、アレンジの説明

10.マッサージ中:頭皮のアドバイス、食べ物にも注意

11.メイク中:今の流行、顔分析


✳️ テクニカルトーク

ドライでカットする前に、
「はえ癖と髪のクセ、そして現在の傷みの状態を見ながら、丁寧にカットしたいのでこのままの状態からカットさせていただきますね。」
という一言で理解と共感を得ること。

シャンプーせずにカラーリングに入るなら、
「自然に頭皮から分泌されている油分が、カラー剤の刺激低減の役割を担い、染みたり、かぶれたりというトラブルを防いでくれることがあります。あえて油分を落としてしまわないように、シャンプーをせずに、このままの状態からカラーリングに入らせて頂きますね。」
という一言で安心感を得ること。

何も言わずにシザーで毛量調整する前に、
自分のセニングをお客様に見せて、説明する。
このギザギザの部分にすくいとられた髪が切られて抜けた髪が残ります。 カチカチと開閉を繰り返すことで、毛量を減らすことはできるのですが、とてもアバウトに短い髪の毛を毛先に作ることになり、それがパサつきや手触り、収まりの悪さに影響し、傷みを進行させてしまうこともあります。
うならないように、私はひとつひとつ髪の状態をみながらご自宅でスタイリングされる場合に収まりがいいように、また無駄にパサつきや傷みを進行させないようにハサミだけで毛量を調節させていただきます。」
の一言、二言で、これまでの疑問や不安を解消し、安心と満足を得ること。