MHAヘアカラーベーシック講座 Ⅰ


ヘアカラーは、ジュニアスタイリストやアシスタントのメイン施術になっているのではないでしょうか。当然クレーム発生率も高くなりますよね。それゆえしっかりとした理論や技術を身に付けなければいけません。薬剤のかぶれなど注意が必要です。必ずお客さまにはパッチテストの必要性を伝え、理解していただいたうえで施術に取り掛かってください。

最近は、色々な薬剤、技術があり勉強することがたくさんありますが、テクニックに溺れず必要なことだけをシンプルにすることが大切です。髪は傷んでも治りません。そのことだけは、忘れずに。


☆衣服に注意する

 

ヘアカラーが衣服に付くと簡単には落ちません。特に襟のある服など中に織り込むなどしてラップをして襟が汚れないようにしてください。シャンプー時にも注意が必要です。

クロスにも薬剤が飛んでいないかを必ず確認すること。

 

「お薬で襟元が汚れないよう、中に折り返してもよろしいですか?」と確認してラップをつけタオルを巻きます。

 

☆まずはスタイリストが全責任を持つ

 

パーマのワインディングと同じですが、薬剤塗布はスタイリストの指示に基づいてアシスタントが行うことが多いと思います。もちろん、カウンセリングから色の選定(カラーデザイン)、薬剤選択など、カラーリング施術のすべてはスタイリストの責任です。それを明確にした上で、アシスタントに的確な指示を出します。

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ベストカラーを見つけよう!


1.明るさを決めよう

 

ヘアカラーの世界では、色味よりもまず明度を決めることが最優先です。今の明度より明るくしたいか、暗く落とすか、キープするのかを決めます。明るさはサロンでは15~20レベルまであります。1レベルのブルーブラックから20レベルのホワイトまでです。最近は、会社で○レベルまでとか決まりがあるところがありますよね。

注意点としては、一度暗く染めた髪は明るくならない場合があります。また、

髪質により明るくなりにくい場合があります(瞳や眉毛の濃い人)。

男性で眉毛の濃い人は明るくしすぎると眉がキツく感じます。

季節では、秋が一番暗く、徐々に明るくし、夏が一番明るくするのもいいですよ。

日本人は、8レベルが似合うといわれます。


・ダークトーン

5~7レベルの低明度にすると、輪郭がはっきりするので引き締まった大人っぽい印象になります。肌は白く見えます。


・ライトトーン

9レベル以上の高明度だと、肌と髪がなじむので顔がふんわりぼけて見えます。瞳が濃く見えるので可愛い印象になります。

 

2.NGカラーを知ろう

 

肌色に合わない口紅があるように、ヘアカラーも肌色によって合わない色があります。肌が明るければ比較的どんなヘアカラーでも合わせられますが、暗い人は注意が必要です。暗いオークル肌に濃いマット、暗いピンク肌に紫系は避けてちょうだい。


・暗いオークル肌

黄味の強いくすんだ肌に、ダークなマット系はNG。顔色が悪くなって、印象も暗く見えてしまう。


・暗いピンク肌

ピンク肌でも暗い人・日焼けをしている人は、紫系と強い赤系を避けたほうがベター。顔に赤みが反射して,赤ら顔に見えます。

 

3.色味を決めよう

 

明るさを決めたら、なりたいイメージに合わせて色味を選びます。色にはそれぞれ基本的なイメージがあります。また、同じ色相でも色が見える・見えない(色の鮮やかさ,濃い・薄い)で印象は変わります。


イエロー・・・華やかセクシー


オレンジ・・・健康的な可愛さ


ピンク・・・女らしいモテ色


レッド・・・大人エレガンス


バイオレット・・・神秘的な色気


アッシュ・・・辛口のカッコよさ


マット・・・知的でさわやか


ブラウン・・・上品な好感カラー

4.カラーデザインの種類

 

単色ではなく2色以上のカラーを使い、髪に動きを出したり、質感に変化をつけたりするのがデザインカラーです。料金は少しプラスされますが、いい感じ。

基本的なデザインカラーは4パターンほどです。コントラストを強調すればモードに、全体になじむように入れればナチュラルに表現できます。


・ハイライト

ベースより2~3レベル明るい色を入れて軽さを出します。糸状に細く入れたりしてふんわりとした空気感も出せます。

・ローライト

ベースより2~4レベル暗い色を入れて影を創ることができます。ツヤを出したり、めりはりのある動きを出すときにも効果的です。


・ハイ&ローライト

ハイライトとローライトを隣り合わせで入れる方法など。コントラストが大きくなるので、より立体感が出せます。


・ゾーンカラー

頭のゾーンごとに違う色を入れる方法です。髪の内側に暗い色を入れ、輪郭を引き締める小顔カラーなど、今、主流のカラーです。


*デザインカラーは2色以上使いますので、髪には負担がかかります。なるべく必要最低限の方法で効果を狙いたいです。やりすぎは、きたなくなりますので注意が必要です。

●長持ちカラー(トナー)

 

繰り返しカラーを続けると、染めてもすぐに退色してしまうことがあります。

その問題を解決できるカラーテクニックがあります。

それは『重ね塗り』という技で、シャンプー台でベースカラーを流した後、

その上からトナーカラー(脱色力のない、色味だけを入れる薬剤)を塗布します。

ベースカラーよりさらに鮮やかな色を重ねるというものなんです。

色が重なることで濃くなり、色持ちがグンとよくなります。

もちろんツヤもアップして美しい髪になりますよ。。。

 

5. 職場での色の見え方

 

髪に限らず、色というのは光の種類で見え方が違ってきます。たとえばオレンジ系に染めても、蛍光灯の下では、赤みが削られて黄色味寄りに見えます。


・蛍光灯

蛍光灯だとグリーンぽい光だから赤みが削られます。


・自然光

イメージ通りの色に見えます。ただし室内よりも明るく見え、派手に映ることもあります。


・白熱灯

白熱灯の下では、全体に黄味が増して見えます。

 

*トーン(色調:色の調子)とは、明度(色の明るさ)と彩度(色のあざやかさ)が複合された色の表し方をいいます。ビビッドトーン、ダルトーン、ダークトーン等。

  ヘアカラーの場合は、1~10トーンまでで表現されることが多いです。また、

 明るさは1~15レベルあるいは1~20レベルで表現されます。

 

*上記は日本のヘアカラーの場合です。日本の場合は、レベルで表現されることが多いと思います。

 日本人は、8レベルが似合うと言われています。

 アメリカでは、日本の表示と違い、機械で明度を図った表示になっているそうです。

 10段階だそうです。日本の場合は、見た目かも。。。        

      

イメージとヘアカラー


1.スタイリシュ・Stylish・・・アッシュ ブロンド

 

・10レベル以上の寒色系は、カッコいい外国人テイストになれる洗練カラーです。

・茶色みが全くなく、透明感たっぷりのブロンド風に仕上がります。 

 

2.セクシー・Sexy・・・ハイトーン イエロー

 

・9~11レベルのイエロー系・ゴールド系は、華やかで都会的なセクシーテイストを演出します。

・派手目の女らしさが好きな人にぴったりです。 

 

3.ニート・Neat・・・ナチュラル マット

 

・寒色でも8~9レベルの中明度だと、清潔感たっぷりでオフィス向きです。

・マット系なら髪の赤みが抑えられ、さわやかな女らしさ を演出できます。

 

4.ガーリィー・Girly・・・パステル ピンク

 

・9~10レベルの高明度の赤系だと、ピュアなガーリーテイストになります。

・明るいぶん色味も薄くなって、女の子っぽいパステルピンク風味になりやすいです。

 

5.キュート・Cute・・・オレンジ ブラウン

 

・8~9レベルのオレンジブラウンは、日本人にとても似合う定番人気カラーです。

・親しみやすいキュート感、健康的な女らしさが楽しめます。

 

6.フェミニン・Feminine・・・ピンク ブラウン

 

・7~8レベルの落ち着いたピンク系は、明るいピンクと違って、がらりとフェミニンな印象になります。

・しっとりとした色気が出る、モテ色NO.1です。

7.シック・Chic・・・ウォーム ブラウン

 

・ 落ち着いた7レベルの暖色ブラウンは、温もりを感じる程度の暖色系なので、とても上品です。

・一番ベーシックな好感カラーです。

 

8.グラマラス・Glamorous・・・ルビー レッド

 

・赤系が一番発色するのが5~6レベルです。

・赤だと個性的なモード顔になり、赤紫のルビー色ならあでやかでグラマラスな印象になります。 

 

9.エレガンス・Ellegance・・・ダーク ココア

 

・ルビーより赤みを抑えた暖色のダークブラウンや深いココア色は、リッチなツヤ感を引き出します。

・エレガントなレディー気分を味わえます。

 

10.インテリジェンス・Intelligence・・・クール ブラウン

 

・6~7レベルの寒色系は、赤みのないクールブラウンに発色します。

・ほどよい重さが知的なキャリアガールを演出するので、固めのオフィスに最適です。 

 

11.ミステリアス・Mysterious・・・ダーク バイオレット

 

・バイオレットは6レベル位の低明度で一番美しい発色をします。

・寒色の青紫系は、ミステリアスな大人の雰囲気になります。シンプルなボブと好相性です。

 

12.クール・Cool・・・ダーク アッシュ

 

・6レベル以下のダークアッシュになると見た目はほぼ黒髪です。

・黒髪よりニュアンスがあって、寒色のクール感カッコいい女性像をつくります。

 

*レベルは、お店によって違います。        

 

 


職業とヘアカラー


✳️ 銀行員・公務員・大企業のOLなど、目立つファッションや個性は控えなければならない職業。

 

《 ファッションイメージ 》


ナチュラル系が多い


《 イメージ 》


清潔感


《 ヘアカラー 》


6~8レベル、強い色味は避けた方がいいでしょう。


✳️ 若者向けのアパレル関係・アクセサリー・小物関係のショップ店員など、服装の制限がゆるく、お客様とフランクに接客できる職業。

 

《 ファッションイメージ 》


キュート系が多い  


《 イメージ 》


元気さ、トレンド性


《 ヘアカラー 》


8レベル以上、明るいカラーがおススメです。


✳️ 外資系のキャリア・高級ブランドショップの店員・マスコミ関係・コンサルタント業など、高い意識を持って接客するような職業。

 

《 ファッションイメージ 》


モード系が多い


《 イメージ 》


意志の強さ、知性


《 ヘアカラー 》

4~7レベル、暗めのカラーが中心になります。


✳️ 宝飾品や化粧品・インテリアなどの高級品販売店員・ホテル・フライトアテンダントなどのサービス業。

 

《 ファッションイメージ 》


エレガント系が多い


《 イメージ 》


明るさ、品の良さ


《 ヘアカラー 》


6~10レベル、強い色味は避けた方がいいでしょう。


●業種別男女規則


季節とヘアカラー


季節とヘアカラー(髪色)の関係を少し言います。特に髪の明度(明るさ)と彩度(色味の鮮やかさなど)の関係があるといえます。一例をあげますね。

 

● 春 3・4・5月

 

・イキイキとした表情をつくることをイメージした季節ですね。 

・冬よりもじょじょに明るくします。明るさのある寒色系がおススメです。

・ モカ・ピンクアッシュ等。

● 夏 6・7・8月・軽さを演出できる透明感のあるカラーがお勧めの季節すね。・明度が最も明るい季節です。中間色:イエロー系が人気ですかね。・黄色ベースのモカ・アッシュ等。

● 秋 9・10・11月

 

・夏に痛んだ髪を目立たなくするためのカラーがおススメですね。

・明度が最も暗い深みのある暖色系が多いですね。

・シックなレッド・カッパー等。

●冬 12・1・2月

 

・ロングも重く感じさせないカラーがいいですね。

・秋よりもややライトな明るめの暖色系がおススメですね。

・明るめのモカ・カッパー等。

 

上記は、お客様に合ったイメージとは少し違いますよ。あくまでも季節です。それと、テクニックのあるカラーとして、明るくするときにハイライトを入れたり、暗くするときにローライトを入れたりして、一味違うカラーもおススメですね。お客様のイメージに合うカラーに季節感を取り入れることは、とても有効ですよ。


スキンタイプとヘアカラー


●ブルーベース

 

ナチュラル・アッシュ・カッパー・レッド・バイオレッド系等。

 

●イエローベース

 

ナチュラル・マット・イエロー・ゴールド・オレンジ系等。



☆肌色と日焼け


・ピンク系⇒赤くなるだけ(黒くならない)⇒寒色系

・ベージュ系⇒赤くなってから黒くなる⇒中間色

・オークル系⇒黒くなる⇒暖色系


・ピンク系⇒ブルーベース

・オークル系⇒イエローベース


※ファンデーションの色ではないですよ。


ヘアカラーの場合、明るくなると色味が薄くなります。

また、色みによって彩度のトーンは違います。

眉毛の明るさは、髪の明るさと同程度から黒目と髪の明るさの中間ぐらいが似合います。

ダブルカラーなどによる彩度の強い場合は、注意が必要になります。

 

髪色の効果と特長


●アッシュ

 

【イメージ】 カジュアル・シック

 

【効果と特長】 

・髪に色がつかず(無彩色)、重さだけを取り除きます。

・くすんだ色なので、明るくしても派手にならず、落ち着いて見えます。

・光によって様々に見え方が変わり、室内で暗く、野外で明るく見えます。

・どんなヘアスタイルにも合いやすいです。

・トーンによって印象が変わります。

・7トーン:グレイがかったブラウン。柔らかいニュアンス。カジュアルでシック。

・10トーン:風になびくと透明感があり、きれい。都会的、洗練されたイメージ。

 

●マット

 

【イメージ】 中性的・大人っぽい

 

【効果と特長】

・トーンアップのときに出てくる嫌な赤の色素を抑えます。

・軽さと透明感。肌も透明感を増して見えます。

・中性的で大人っぽい。グリーンみが強くなると、クール・モード系。

・顔色が悪い人は、血色がさらに悪く見えます。

 

●オーク

 

【イメージ】 カジュアル

 

【効果と特長】

・日本人にとって最もポプユラー。黒髪が、最も軽く柔らかく見えます。

・さわやか、カジュアル。

・春・夏向き。ショートヘア、短めのミディアムに合います。

・軽すぎるスタイルだと古くなる。重さを残した軽いスタイルに向いています。

 

●ベージュ

 

【イメージ】 カジュアル・シック

 

【効果と特長】

・オークよりも地味で、日本人の黄ベースの肌色と相性がとても良いです。

・赤みを感じさせない、彩度の低い暖色系です。

・暖色系が似合うけれど派手なのはちょっと。。。

 かといって寒色系は、似合わない方に最適です。

・ちょっと大人ぽくて、ナチュラルな色です。

・どんなヘアスタイル・ファッションにも合いやすいです。  

●モカ

 

【イメージ】 ポップ・キュート

 

【効果と特長】

・健康的に見えます。

・ポップ・キュート・陽気、女らしい感じが出せます。

・ふわっとしたエアリーパーマ系や日焼けした肌に合います。

 

●カッパー

 

【イメージ】 カジュアル・シック

 

【効果と特長】

・赤胴色。赤みがあるが、彩度は低いです。

・傷んだ髪のダメージが最も目立たない色です。

・日本人が持っている髪の色素に近いので、深みやツヤっぽさが出ます。

・肌が色白に見えます。

・モカのキュートさと、レッドのモードさの中間で、ナチュラルな感じです。

・どんなヘアスタイルにも合いやすいです。

 

●レッド

 

【イメージ】 キュート~モード

 

【効果と特長】

・ほんのりと赤みを感じさせるブラウンは、日本人の髪にとてもなじみます。

・肌が色白に見えます。

・明るく濃い赤は、キュートさを強調します。

・深い赤は、モード系、黒のブランド系スーツなどに合います。

・動きの少ないボブ系などに合います。

・秋冬向きです。

 

●バイオレット

 

【イメージ】 クール~モード

 

【効果と特長】

・色味が強いとクールなストリート系。奇抜、アバンギャルド系に。

・レッドよりも落ち着いて見えます。

・レッドバイオレットとブルーバイオレットでは印象が違います。

・深みのあるバイオレットブラウンは黒髪になじみやすく、

  初めてカラーする方にも受け入れやすいです。

・退色しても境目が目立ちにくいです。


* 顔の骨格(輪郭)とヘアカラー(髪色)

 

 髪色はスキンタイプとの関係も重要ですが、顔から受ける印象で似合う色も考えることも重要だと思います。 例えば、丸い顔の人は、かわいい印象を受けますし、角ばったベース顔はクールな印象を受けますよね。色で言えば、キュートでかわいい印象なら暖色系が、クールでシャープな印象なら寒色系が似合わせやすいといえます。そして、色には、重く感じる色や軽く感じる色、暗く感じる色、膨らんで見える色、やせて見える色などがあり、また、やわらかい感じ、硬い感じの性質などがあります。こうした色の感じと先の例のような印象をマッチさせること、いいかえると骨格がもつ印象と色のもつイメージをリンクすることが似合わせには重要になります。それでは、顔の輪郭が持つイメージとその印象から連想される色を紹介しましょう。

 

●円形・・・膨張進出色の赤色は、円形型の時に初めて親しみやすい印象を与えます。

 

●台形・・・膨張重厚色の橙色は、台形型と結びつくと、重厚、落ち着きの印象を深めます。

 

●六角形・・・拡散色の黄色は、六角形型と結びつくと、積極性、迫ってくる感じが強くなります。

 

●五角形・・・拡散平面色の黄緑色は、五角形型と結びつくと、明るくモダン、若々しい印象を強めます。

 

●正方形・・・平面色の緑色は、正方形型のときに、堅実さや誠実さの印象を強めます。

 

●逆三角形・・・平面収縮色の青緑色は、逆三角形型のとき、知的でスマートな面がでます。

 

●長方形・・・収縮伸張色の青色は、長方形型と結びつくと、より青さを強め、上品で冷静なムードがでます。

 

●長円形(卵形)・・・膨張収縮色の紫色は、長円形型のときに、一番ロマンティックな感じを強めますが、形によりガラリと印象を変えます。