MHAヘアカラーベーシック講座 Ⅱ


ヘアカラーと顔型のバランス


顔の輪郭矯正(補正)というと、ヘアカットやスタイリングなど「髪型」が注目されることが多いのですが、複数の色を使ったヘアカラーで「髪色」を上手にデザインすれば、色による目の視覚を利用して顔の輪郭を矯正することもできます。

目の錯覚には、明るい色は大きく近く、暗い色は小さく遠く見えるという特徴があります。長く・広く見せたい部分の周りの髪をを明るく、反対に短く・狭く見せたい部分の周りの髪を暗くすれば、色の効果で顔を理想の顔型に近づけることができます。また、ハイライトやローライトを工夫すれば、顔に髪で影を作って細く見せたり、髪に立体感を持たせて小顔に見せたりすることも可能です。


✳️ 丸型の似合わせカラー(デザインカラー)

頬の周りを暗くする→暗い色で顔を細く見せる

丸型の顔を細長く見せるには、ヘアカラーで頬の周りを暗くするのが効果的。耳から毛先にかけて内側に暗めの「ローライト」を入れると、顔の両側にできる陰影が顔をほっそりと矯正してくれます。さらにトップと毛先を中心に明るめの「ハイライト」を入れれば、縦のラインが強調されて顔が長細く見えます。フリーハンドで色味を入れていく「バレイヤージュ」のテクニックを使って必要な場所に明暗を入れていくのがおすすめです。


✳️ 卵型の似合わせカラー(デザインカラー)

立体感や艶をプラスする→卵型の魅力をさらに引き出す

卵型は、ヘアカラーで輪郭矯正を意識する必要のない理想的な顔型です。ただし、どこか一部分を明るくしすぎたり、暗くしすぎたりすると、せっかくの完璧なバランスが崩れてしまうので注意します。「ハイライト」や「ローライト」などのデザインカラーで、全体的に奥行きや質感、艶を出して、卵型の魅力より引き立たせましょう。顔を華やかに見せたい場合は、生え際に沿って顔周りに明るめの色を入れると効果的です。


✳️ 四角形型の似合わせカラー(デザインカラー)

複数トーンのヘアカラーを重ねる→輪郭をソフトに見せる

四角形の顔型には、複数トーンを使った筋状のヘアカラー「ウィービング」を使って柔らかさを演出します。こめかみから顎にかけて角の周りを中心に「ハイライト」と「ローライト」を重ねて入れると、複雑な陰影で立体感と柔らかさを出すことができ、角ばった輪郭もソフトに見せられます。顔をほっそりさせたい場合には、顔の両側に影を作るように暗めの色を入れて奥行きを出すと効果的です。


✳️ 面長型の似合わせカラー(デザインカラー)

頬骨の周りを明るくする→明るい色で顔を幅広く見せる

縦長の面長型は、ヘアカラーで頬骨の周りを明るくして幅広効果を狙います。耳の上から毛先にかけて表面に髪をくしで縫うようにすくう「ウィービング」で細かい筋状の「ハイライト」を入れ、顔周りはこめかみから頬にかけて一段明るめの色を入れて顔を縁取れば、髪に立体感を出し、顔を幅広に見せることができます。さらにトップの根元と顎先から下の内側は影を作るように暗くすると縦の長さが目立たなくなります。


✳️ 三角形型の似合わせカラー(デザインカラー)

頬と顎の周りを暗くする→色の対比でバランス良く見せる

三角形型の顔をバランス良く見せるには、横幅が気になる頬と顎の周りをヘアカラーで暗くします。顔の下半分に影を作るように耳から毛先にかけて内側に暗めの「ローライト」を入れると、顔の両側の陰影が顔をほっそり矯正してくれます。さらにトップと額の生え際に「ハイライト」を入れて顔の上半分を大きく見せれば、全体がIラインに近づきます。全体的に複数色を使って立体感を出し、輪郭から注意を逸らすのも効果的です。

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退色の原因


退色の原因は、パーマなどの薬剤を使用した場合はあたりまえですが、

黄色〜赤色の暖色系色素は、分子が小さく、毛髪内部での保持力が弱くシャンプーやお湯などにより流出して退色する傾向があります【流出退色】。

青色~緑色の寒色系色素は、分子が大きく、毛髪から流出しにくい。ただし分子内の発色結合が熱や紫外線などのエネルギーを吸収して切断されたり、酸化されたりして構造変化により褪色する傾向があります【分解褪色】。

カラー剤は、酸化染料(染料の元に成ります)、カプラー、直接染料(ニトロ染料)が有ります。

酸化染料は、無色で、分子の大きさが、小さく、毛髪内部に染料同士で、酸化重合して、大きな分子に成ります。
この為、明度は下がる特徴が有ります。

カプラーは、酸化染料と結びついて、有色色素を作ります。
赤~青の様々な、色素を構成します。
しかし、カプラーは、酸化染料に比べ、反応速度が速いため、反応は早く終わります。反面、酸化染料とカプラーと反応してできる色素は、分子が、2~3個結びついた比較的小さい分子です。

こうして作られた色素の中で、青~赤の寒色系色素は、一般的に分子が大きく、流失し難いと考えられます。
また、黄色~赤の暖色系は、分子が小さい為、毛髪内部での、保持力が、弱いと考えられています。

トーンダウンの考え方


知識と経験が必要になると思います。

☆トーンダウン  (15レベル以上)

N系: C+N+A   1:1:1
  or  C+N  1:2.5
A系: C+N+A+V  1:1:1:1
  or  C+N+v  1:2+5%
M系: N+M  2:1  or  N
G系: C+N+G+y  1:1:2+10%
C系: C+N+or  or  r  2:1+10% or  5%
R系:R+N+v  2:1+5%
  or  R+A+r  2:1+10%
V系: R+A+V+b  1:1:2+5%
  or  C+A+V+v  1:1:2+5%

☆WBを使えばもっと簡単になります。

☆色素量

5トーンは日本人の持つニュートラルな髪色に一番近い色。

そこで12レベルに染めた既染毛を8レベルにトーンダウンする場合、


求める色と理想の色のレベル差は4(12-8=4)、


そこで理想の色8レベルに5トーン(10:4)をミックスすれば


8レベル:5レベル   10:4


簡単かつきれいにトーンダウンすることができるのです。


5レベルの薬剤はWB(ウォームブラウン)系がいいでしょう。


ヘアカラーの計算方法


✳️ レベルの計算方法

例 1 〉7レベルと10レベルの薬剤で8レベルをつくる場合

7と10の間には、8と9の2つがあります。
この2つは、:1を表します。
間に3つあれば、3:1を表します。
又は、求めるレベルの差を考えて、
7レベル⇒8レベルは8ー7=1
10レベル⇒8レベルは10ー8=2
1:2になります。
求めるレベルに近い方が多くなりますので、
7レベルが2で、10レベルが1になります。
計算してみましょう。
7×2=14    10×1=10
14+10=24
2:1は、2+1=3
24÷3=8   ゆえに8レベル
7レベル:10レベル = 2:1

注意することは、暗いレベルの薬剤の方が影響力がやや強いので、少しだけ10レベルの薬剤を多めにすること。また、時間を置き過ぎるとやや暗くなります。それは、8単品より調合の薬剤の方が色素量が多いと言えます。白髪染めにも応用されます。

例 2〉5レベルと10レベルの薬剤で8レベルを作る場合

この間には6.7.8.9の4つあります。
8は左から3つ目
8は右から2つ目
これは  3:2  ということです。
または、8ー5=3
10ー8=2   よって 3:2
8レベルは10レベルに近いので、
近い方が多くなります。
10レベルの薬剤が3で、5レベルの薬剤が2
10×3=30       5×2=10
30+10=40
3:2は3+2=5
40÷5=8    よって8レベル
5レベル:10レベル = 2:3

5レベルと10レベルの薬剤があれば、
6.7.8.9レベルの薬剤がつくれます。
5レベル:10レベルで表すと、
6レベルは  4:1  、   7レベルは  3:2
8レベルは  2:3  、   9レベルは  1:4  ですね。

メーカーによって薬剤のパワーが違います。よって正確なレベルではありません。参考程度にしてくださいね…

✳️ 比率と量

例 1〉80gの薬剤を3:1でつくる場合。

3:1は、3+1=4
80÷4=20  
これは、1が20gを表します。
20×3=60   よって、
60g:20g  になります。

例 2〉80gの薬剤を3:2でつくる場合。

3:2は、3+2=5
80÷5=16
16×3=48 、16×2=32
よって 48g :32g  になります。

✳️ 薬剤の混ぜ方

色味の違う2種類のカラー剤を混ぜる時は別々のカップで1剤とオキシを混ぜたあと、2つを混ぜると濁りが少ないように感じます。
また、12レベルの薬剤など高レベルの薬剤は1剤とオキシが1:2などになっていると思います。例え同じ色味でも1:1の薬剤と混ぜる時は、別々のカップでつくってから混ぜ合わせた方がいいでしょう。
注意点としては、ミキサーなどの器具で混ぜあわせると、とてもクリーミーで量も増え、塗布しやすいですが、酸化しやすいのか、やり過ぎると白髪染などで染まりが悪くなる場合もあります。
忙しいサロンでは、別々なんかできませんよね。でも、作り置きはダメです。混ぜたらスグ使ってくださいよ。

✳️ パーセント%の計算の仕方

100%は100あるうちの100だから

100÷100=

80%は100あるうちの80だから

80÷100=  0.8

6%は100あるうちの6だから

6÷100=  0.06

例 1 )60gの薬剤にアクセントカラー5%入れる

60 × 0.05 = 3    60g + 3 g = 63g

例 2 )1500円の商品20%引きの値段

100%ー20%   1ー 0.2 = 0.8

1500× 0.8 = 1200円

例 3 )300gのシャンプー15%増量した量

100% + 15%  1+ 0.15= 1.15

300× 1.15 = 345g

✳️ オキシ濃度6%と3%の使い方

今は6%〜2%ぐらいまで数種類のオキシがあると思います。サロンでも2種類はおいていると思います。ここでは6%と3%の基本的な使い方について紹介します。
オキシの濃度の違いはブリーチ力発色度合い発色スピードに差が出ます。

ブリーチ力    6% が強い

発色の早さ    3%が早い

発色度合い      6%が濃い、深い

6%は、しっかり明るく染めたい方

4.5%は、やや明るく染めたい方、まだら(グラデーション)

3%は、暗く染めたい方

1.8%は、ブリーチ毛にリフト力をおさえ色味を入れたい方

6%:3%  を  2:1  で  5%

6%:3%  を  1:1  で  4.5%

6%:3%  を  1:2  で  4%

オキシを混ぜる時は別の容器で混ぜてから1剤と混ぜないとダメですよ。

オキシを2倍にすると少し明るくなりますが、おそらく色素が薄まるからかも…

残留問題もあるので気をつけて下さい。

アルカリキャンセルのオキシもありますよね。

3%でも明るく染めることができます。

なんでも6%は、手抜きでいいかもしれませんが、時間を考えて使って下さいね。

白髪染めでは、6レベル以下の暗めなら3%でいいですが、染まりが悪い人は6%を使った方がいいかも。

6%と3%で5%などを作って試したりしてください。

もちろん2%があればいろいろ試せますよね。

もちろん水を混ぜたり、トリートメントも混ぜたりして、テンションかからないようにとか…新たな発見があるかも。

ただ、毛質を見てやって下さいね。

カラーは痛みますから。

シャンプー剤との相性もありますからね…

痛んでると退色が早いです。

あと寒色系も退色が早いです。

それから、40分で終わるようにした方がいいですね。

それ以上おくと色がくすんでくるかも…

60分ぐらいまでちょっとずつ化学反応してるらしいです。