店長ベーシック講座


店長・マネージャーは、サロンの運営を任されているほか、スタッフの人材育成や人材管理・マネージメントを行います。
リーダーとして店舗をまとめるほかに、店舗で販売する商品管理や販売計画の立案、サービスに対する品質保持、売り上げ管理、店舗の清掃や雰囲気作り、スケジュール管理なども担当します。技術者としてお客さまにサービスを行う場合もあるでしょう。
人材育成では、店舗の方針をスタッフに浸透させ、お客さまが満足いく店舗作りを行い、お客さまの立場に立った行動ができる人材を育てます。また、リーダーとして店舗内の問題点に気づくことも大事。一人の美容師として実際にお客さまと向き合っておくと、経験を活かした店舗作りができるでしょう。
サロンとして、お客さまに再度足を運んでいただけるような雰囲気作りを目指しますが、自分を中心につくり上げたサービスによりお客様に喜んでもらえるので、人を喜ばせたり、人に感謝されることに喜びを感じる人に向いている仕事です。

✳️ 店長の姿勢

仕事の役割は時代性であったり、お店の状況によって違ったりするとは思うのですが、美容室の店長が根本的に大事にしなければいけないものは何でしょうか?
「うまくいくサロン」の店長にはどんな資質があるのか?
どんな能力が人より長けているのか?
っていうと、資質や能力ではないと言われます。
店長に必要なものは、一言でいうと「どれだけお客様のことを思って仕事をできているか?」だと思っています。
自分の担当とか、担当じゃないとか関係なく、
お店に来ていただいているお客様をどれだけ思えているか?
客様おひとりずつに声かけがちゃんとできているか?
この事の方が店長にとって必要な姿勢なのではないでしょうか?
美容室でいえばお客様の接客は、担当者任せが多かったりしますよね…。
でも高級なレストランなどにいくと、店長やフロアマネージャがお客様おひとりおひとりに挨拶に来られたりしますよね。
業種によって、運営上の動線などもありますが、ご来店いただいている全てのお客様の満足に責任を持つ姿勢で取り組む事が店長には必要なのではないでしょうか?

✳️  店長は店の顔

よく店長は店の顔と言われますが、それだけ存在感、影響力があるということでしょう。
店長によりお店の空気感が変わります。
そこで大切なのが、スタッフとのコミュニケーションです。スタッフはシモベではありません。大切なパートナーです。自分の考えを共有し、能力を引き出し協力してもらわないと売り上げはあがりませんよね。伝達力が大切です。人間どうしですから肩書で上からものを言ってもいい仕事なんかしてくれません。お客様も店長の指示を聞いて不愉快にならぬように品のある言葉を使いましょう。
売り上げが上がらないのは、お客様を喜ばしていないからですよね。
一番美しい言葉「ありがとう」をいっぱい言い、いっぱい笑顔を見せましょう。
神様はキレイ好きです。掃除、整理整頓だけではなく、キレイな言葉、服装、姿勢、行動、こころなど、
いっぱい磨いてくださいね。
きっと運が上がります。
女優や俳優になったつもりで演じていると
いいお店の顔になるでしょう。
神様はシャイだからトイレにかくれてます。
店長が責任をもってトイレ掃除して下さい。
きっと金運が上がることでしょう。


✳️ アシスタントの教育

教育とは『教え、育む』という認識のもとに、
優れた教育者は特に〝育む〟という事に重きを置いて、部下に働きかけをします。
①「教えるべきこと」を
②「理解できること」に変換し
③「疑問の種」を植えつけ
④「自ら学ぶ姿勢」をつくらせ
⑤「結果」をださせる。
ここまでが、教育なのです。
多くの人が、①で止まってしまっています。
自分が教えたいことを、自分が教わったやり方で、教えようとします。
そうではなく、個々の理解度に合わせて内容を変換する作業が、まず必要。
そして、答えを自ら導き出すための疑問を投げかけ、考えさせる。
考えた結果に得ることができた答えというものは、達成感を与えます。
達成感というものは自ら学ぶ姿勢をつくるのに最適です。
人間の脳というものは、1度得た「快感」を何度も繰り返し求めるものです。
脳の求める「快感」というものは、
達成感・やりがい・評価からの喜びなどの、行動から生まれる対価
すなわち、その〝行動を促す〟のが教え育むというものに繋がるのです。
最後の「結果を出させる」というものが、まさに教育の目的。
部下に結果を出してもらうのではなく、
部下に結果を出させるのです。
色々と試行錯誤するわけですが、
あまりにも私たち美容師という業界は、
部下本人の能力にまかせきりになる傾向が強いので、
そこに至るまでのベースというものをしっかりと作ることの重要性は、常に意識しなければいけません。
   by  渡 洋輔
✳️ 教育

教育 とは、

  1. 教えるより、相手の本来もっているよさを引き出すこと。
  2. 自らを教育すること。
  3. 率先垂範すること。

である。リーダーが変われば部下も変わる。優秀なトップのもとには優秀な部下が育つ。

教育力は指導力ではない。経営者自身の自己教育と他者教育、両面を含めて始めて{教育力}と言うのである。

自己教育とは、社内外の和の元たる経営者自身の{率先垂範}。

目前の当たり前の事の実践を継続して続ける{凡事徹底}。

万象・万人を我が師ととらえる心境の練磨、等々による人徳の養成を指す。



✳️ 繁盛店づくりの10項目

繁盛店づくりには経営者、店長が
少なくとも以下の10の項目の情報を抑え、
身に着けることが必要です。

1.モチベーション  (やる気アップ)
2.リーダーシップ  (統率力)
3.チームビルディング(組織運営)
4.リクルーティング (採用)
5.エンパシー    (共感)
6.エントラスト   (任せる仕組み)
7.タイムマネジメント(時間管理)
8.アクション    (行動促進)
9.マーケティング  (集客)
10.リピーター   (顧客創造)

これらの項目に関するノウハウ、知識を得た後で
真っ先に取り組んでいただきたいこと

それは…

スタッフが“自ら「行動」する環境を作る”ことです。

そこでのポイントは
スタッフを『動かす』のではなく
自ら『動きたくなる』環境を作ること。

『動かす』と『動きたくなる』は
文字で書けばそれほど違いはありませんが
やっていくことは大きく異なります。

相手を動かそうと思っても
こちらが意図する通りに動くことはまずありません。

逆に、自ら動こうと決めた場合は
こちらが指示、命令や
叱咤激励することなく行動し始めます。

スタッフが自らに課せられた仕事を
しっかり成し遂げたいと
思うようになるには

スタッフのことをしっかり観察し
小まめに声を掛け進捗を聞き、
壁にぶち当たっていたならば
相談に乗ることが肝要です。

また、仕事が完了した際には
しっかり労うことも必要です。

そうすれば、スタッフが
自ら進んで繁盛店づくりに
協力してくれるようになっていくのです。


✳️ マネジメントの仕方

横並びを好む女性組織の中で
常にリーダーシップを発揮して
皆をまとめてマネジメントを
スムーズに行うためには…

(1)リーダーとしての考えを常に明確に伝えること

(2)圧倒的な行動量、結果を見せ続けること

(3)自分自身のスキル、能力を磨き続けることが必要です。

これら3つのことを行なうことで
スタッフからリスペクトされる存在になります。

また、リスペクトされるためには
自分が周りからいつも見られていることを
意識した言動、行動を取る必要があります。

具体的には、お客様やスタッフ
取引先や家族の不平不満を言わない
仕事に対する姿勢を前向きにするなどです。

組織の中で一目置かれる存在となれば
スムーズにマネジメントができるようになるので

仕事をしっかりと任せることができるようになります。


『やり方を教える前に「考え方」を伝える』

✳️ 『叱る』と『怒る』の違い

『叱る』と『怒る』の違いについて

『叱る』は、100%相手のことを思って行う行為で
その目的は「育成」「気づきを与える」こと。

『怒る』は、自分の高ぶった感情を
抑えるために行う行為であり
ベクトルは自分に向けられています。

スタッフマネジメントを行う際は
『怒る』のではなく『叱る』ことが大切。

⇒ スタッフを怒らないようにするには
  どうすればよいでしょうか?

これには明確な答えがあります。

怒らなくするためには…

『自分の感情に気づく』ことから
始める必要があります。

そのためには、
「今、感情が高ぶってるな」という
自身の感情について

客観的に捉えるようにすることが大切です。

ポイントは、「思っていること」ではなく
何を“感じている”のか?について意識することです。

少し、ややこしいので解説しますと…

例えば

真夏の日中にエアコンが効いた部屋から
屋外に出た瞬間に『暑い!』と感じると思います。

それが感情です。

そのあと、『こんな時間に外出したくないな~』と
頭によぎったとすれば
それは、感情ではなく「思ったこと」です。

この違いを理解したうえで
自分の感情に意識を向ける
トレーニングを繰り返すのです。

そうすれば、『怒り』に気づけるので
感情をコントロールすることが
できるようになっていくのです。

怒らないためには
まずは、『怒り』の感情に
気づくことから始めることが
肝要なのです。


✳️『自分よりも年上の新人スタッフに教えるときのポイント』

教える相手との間に大きな年齢差がある場合
ジェネレーションギャップを感じ
教育が上手くできないというケースも少なくありません。

そこで、年齢差の大きなスタッフへ
教育する際のポイントについて
触れておくことにしましょう。

高齢化社会に突入し
若い労働者の数が減少傾向にあることは
周知のことでしょう。

また、学生や20代の人材のを採用しようとしても
業種によっては、なかなかうまく
採用することができないという
お声をよく耳にします。

そうした中、高齢者を採用し
シフトの空いた穴を埋めようとする動きが
増えてきました。

そうすると、店主(マネージャー)よりも
遥かに年長者の人材を採用し
教育する機会がでてきます。

年上のスタッフを上手くマネジメントし
業績をぐんぐん伸ばしていた店長がいました。

彼は自分よりも経験が豊富な
スタッフに対して教育を行う際

ベテランなのだから、これくらいのことは
分かっていて当然とは考えず

一つ一つ項目を省略せずに
丁寧に教え込むようにしていました。

また、その場では、自分が店長だからといって
上から目線でものを言うようなことはせず

年上のスタッフには、年長者として敬う姿勢で
常に接するようにしていました。

そして、教えた後は売上作りに
協力して欲しいとの旨を
誠実に伝え続けていました。

そうすることで、
年長者であるスタッフに
店長の熱意が伝わるので

店づくりに自ら協力する姿勢を見せてくれていました。


✳️ 紹介してもらうには

【質問】
どうすれば紹介してもらえるのでしょうか?・・・

【回答】
新規客の集客方法として
既存のお客様にご紹介頂くと
コストも掛かりませんし

紹介されて来店するお客様は
店に初めから好印象を持っているので
その後のリピートにもつながりやすいという利点があります。

ただ、この顧客からの紹介というのは
正直言って、なかなか起こらないというのが
実際のところです。

多くの店が取り組んでいる
値引きクーポン付きの『ご紹介カード』を手渡して
「紹介してください」とお願いしても
おそらくですが、あまり反応は期待できません。

では、既存客に紹介してもらうために
何をすればいいのでしょうか?

まず、第1に大切なのは既存のお客様に心から
店のやっていること、
考え、経営方針、商品、サービス、接客に
『共感』して頂くことです。

共感すると人は…

相手のことを大切にし協力しようとします。
また、応援しようともします。

そういう相手のことを自分の周りの人に伝え
広めようとするものです。

共感されるには…

共感される『商品、サービス』が必要です。
また、共感を生み出すストーリーを
伝えていくことも必要です。

2つ目は、『誰に紹介してもらうのか?』を明確にすること。

「紹介して欲しい」とお願いしても
多くの場合は無視されて終わりです。

まあ、無視というよりは
紹介することを忘れられてしまう
というのが正しい表現です。

では、どうすればいいのか?

例えば、マッサージ店などであれば

あなたと同じように腰痛で悩まれている方は
周りにいませんか?とお聞きし、
少し考えてもらったあと

「周りにいる」となったとしたら、
その人の名前をお聞きし

紹介カードに、そのお客様の名前と
「▲▲様からのご紹介です」と記入して
財布の中にしまってもらいます。

紹介する人の名前を記入すれば
▲▲さんにこのカードを渡さなければいけない
ということが心に刻まれるので

その後、対象の人に出会った際に

お店から紹介カードを受け取っていた事を
思い出しやすくなります。


✳️ 仕事の見極め

できる経営者、マネージャーは
店頭のディスプレイを
変更するというような

比較的、重要と思える業務から
照明の電球交換や文具の補充などの
ちょっとした業務に至るまで

『作業』と分類される仕事は
一切、自ら行いません。

そもそも、『作業する』ことは
経営者、マネージャーの
主業務ではありません。

本来なすべき大事な仕事は
「売り方」「方針」「戦略」などを
『考える』ことです。

考える時間をしっかり確保できている
店舗の業績は総じて好調です。

店主が本来の主業務に
専念できる状態を作るためには

一人で仕事を抱え込まず
作業については、どんどんスタッフに
任せていくことが必要です。

『作業』レベルの業務について
自分でやることをストップし
スタッフに任せていくことで

生徒数の前年比150%アップと
大きく業績を向上させた学習塾があります。


人は、自分の信頼する相手から
期待されていることを知ると

相手にもっと認められたい。
その人を喜ばせたいと思うようになるので
その期待に全力で応えようとします。

結果、期待された通りの成果を
生み出すことができるようになるのです。


✳️ 魅力的リーダーの条件 《 職場は、リーダー次第である。》

  1. 人生に希望を抱いている。
    {心が先行する}夜が明けたから日が出るのではない。日が出たから夜が明けたのだ。希望は心の太陽である。
  2. 自分の器を大きくする。(こだわらない。とらわれない。)
  3. 部下の言う事によく耳を傾ける。
    (名君とは、聞くことなり。多方面から聞き、多面的に見る。)
  4. 自分の役割に自覚がある。
  5. 自分の主体性を持つ。
    {リーダーの三禁}(逃げ、言い訳、責任転嫁)
  6. 健康である。(節制)
  7. 人生の基本方針を持つ。
  8. 当たり前の事を当たり前にできる。( 凡事徹底 )
  9. 人使いがうまい。人をやる気にさせる。
  10. 部下が困っていたら助ける。

人をうごかすには、

  1. 相手の欲するものを与える。
  2. 相手を認める。

ことが重要である。

 教育の大原則 とは、《 良さを認める 》ことである。
 例えば、{0点を正直に見せたからえらい。}とまずほめる。

 リーダー
 たった一つの事の継続が、共鳴・共振を生み、 共感を生む。

 Yellow Hat (カー用品販売)の社長さんは、率先してトイレ清掃を続けている。

 いい会社ほど上からよく働く。出勤も社長、重役ほど早い。




✳️ 帝王学の三原則

トップは、

  1. 原理原則を教えてくれる師を持つこと
  2. 直言してくれる友人を持つこと。
  3. 諫言(かんげん)してくれる部下を持つこと。

ことが必要である。

1. 原理原則を教えてくれる師を持つこと

 帝王学の一つ目は、原理原則を教えてくれる師を持つことです。
 物事には全て原理原則があります。
こんな場合はこうだった。あんな場合はああだった。というケースだけを学んでも、ではそれ以外のこういった場合はどうなの?といわれたとき判断できません。どのような場合にもあてはまる原理原則を学ぶことにより、あらゆるケースにおいて自分で判断できるようになるのです。2000年前はそうだったが今はこうであるとか、中国ではそうだったが日本ではこうである、と言うのは原理原則ではありません。時間と空間に関係なく必ず成立するのが原理原則です。コンピュータの勉強でもそうです。必ず原理原則があります。
 何を学ぶにしても言える事です。原理原則を教えてくれる師を持つことです。

2. 良き幕賓を持つこと

 帝王学の二つ目は、良き幕賓を持つことです。
 人間は何かを判断する時、既に持っている自分の知識と経験から判断します。しかし、一人の人間が得ることのできる知識や経験には限界があります。自分と違った知識を持っているひと、自分と違った経験を持っている人。そういう人たちのアドバイスに目から鱗がとれたということはありませんか?
 幕賓とはアドバイザー、良き友人のことです。
 自分とは異なる知識、異なる経験を持ったアドバイザーをできるだけ多く持ちなさい。多ければ多いほど良いです。これが良き幕賓を持つと言う事です。

3. 讒言してくれる部下を持つこと

 帝王学の三つ目は、讒言してくれる部下を持つことです。
これはある程度の地位にあって部下を持った時の話です。組織では人は下から上はよく見えますが、上から下はよく見えません。
 自分の悪いところや、部下がついて来れないところを指摘してくれる、そんな部下が一人は必要です。讒言してくれる部下とは、まさしく自分の悪いところを指摘してくれる部下の事です。しかし、一人でいいですよ。ひとりで、ふたりいると腹が立ちますから。部下が讒言してくれたとき、聞く耳を持たなければなりません。せっかく自分の悪いところを指摘してくれたのに、「ウルサイ!だまっとれ!言ったとおりにすれはいいんだ!」などと讒言をはねつけては二度と讒言してくれません。よく聞いて、しかし、その後反省し軌道修正しやり方を変えるか、あるいはやはり元のままが正しいと信じてそのままのスタンスで行くかは、話を聞いてから判断すればよいのです。
 部下とは普通耳に心地よい事しか言わないものです。あなたは指導力があるとか、あなたの考え方に共感しますとか、尊敬しますとか。そんな言葉を真に受けて、自分はみんなに慕われている指導者だ、なんて思ったら大きな間違いです。影では悪口を言ってたりする奸臣がいるものです。
 真実、皆はどう思っているのか、自分の悪いところはどこか、部下がついて来れないところはないか、 あるとすればその原因はなにか。
これを讒言してくれる部下を一人は持ちなさい。一人でいいですよ。



✳️ 閉鎖性の打破

 会社や官僚組織や学校での問題の発生等、共通原因の一つに、{閉鎖性}がある。その集団独自の価値観や習慣やルール、常識等が当たり前と思い込み、それが世間一般の非常識であり、通用しない事に気が付かない。そのことから、日本の現在の問題が発生しているとも考えられる。

 現代の若者は、指示無視症候群 という特徴がある。 理由や目的を説明してから、指示を与える方がよい。

 夫婦仲の良い事が基本。 妻を変えようとするな。まず自分が変われ。妻は自分の鏡である。


✳️ オススメ本