『いかに初めのカウンセリングでお客様の心をつかむか?』
これは指名をもらうということに直結します。
新規のお客様はもちろん、フリー客、数回目の入客にも使える要素を具体的にまとめました。
しっかり頭に叩き込んで、意識せずとも行動ができるようになるまで繰り返し勉強しましょう。
→美容師にとっては言い慣れたセリフなので、つい早口になりがち。名前もハッキリゆっくりと発音するように気を付ける。
・笑顔で返事をしてくれるお客様
→じっくり話を聞いてもらいたいお客様。話をしてから、こちらを信用できるか?探っているので、丁寧にゆっくり話を進める。
・自分の髪を触るお客様(※)
→不安。自分の思ってる事が伝わるか警戒している。お客様が話や悩みを気軽に言いやすい質問をし、まずは全部受け入れる。
・すぐ髪型の話をするお客様
→言いたい事をまず聞いてもらいたい。相槌をうちながら、その話に共感するように話を進める。
・目をそらす、反応がうすいお客様
→まずはこちら主体で話を進める。お客様が『どの言葉に反応するか?』を必ず見逃さないこと。その言葉こそが、お客さんの目的。
※この時、最初にお客様が触った部分が、今回美容室に来た大きな目的のひとつ。その部分は確実に、ポイントとしましょう。
3.来店された目的を聞く
決まったセリフは無い!相手によって変える。
※「どうしますか?」だけは絶対NG!必ず「決まってるか?」を強調する。
“決まってなくて良いんですよ”というニュアンスを伝えるように。
・すぐに答えるお客様
→美容師に聞かれる事と、その答えを用意して来てるお客様。しっかり話を聞くようにする。
・決まってない、と言うお客様
→実は決まっている。具体的に答えれないから、美容師に委ねようとしている。来店の目的を探りましょう。
・う~ん…と言ってポツポツ答えるお客様(※)
→他の美容室でもいつも同じことを言ってるけど、伝わるかな?と少し不安。要点をしっかり理解して、信用を得るようにしましょう。
・スタイルブックをペラペラめくるお客様
→自分のなりたいイメージを(なんとなくでも)持っているお客様。変化がほしいのか?写真で伝えたいのか?一緒に本を見て探しましょう。
・写真持参のお客様
→まずその写真を褒めること(間接的にお客様を褒めることになる)。どの部分を気に入っているのか?質問しましょう。その写真通りにいかない事はお客様も承知です。
※「う~ん…」と言いながらナナメ下を向いている時は、過去の髪型・イメージを頭に思い浮かべています。という事は、『具体的なイメージがほしい』ということ。まだまだ美容師にお任せしきれない気持ちがあります。
お客様が、この人にまかせても大丈夫か?を判断する。
・髪を触るときは絶対に「失礼します」or「髪を触らせてもらいます」と一言添え、必要以上に触らない。
・お客様の言ったことに対して、必ず一度「はい」「そうですね」「なるほど」などと、同調する。
・美容師目線で言いたい事があったとしても、まずはお客様に共感する。それを踏まえて、アドバイスにつなげる。
・話すスピードと、声の大きさ、言葉使いをお客様に合わせる。言葉使いというのは、お客様の使った名称を言い直さないという事。 (ex.カラー⇔毛染め)
・箇条書きのごとく、決められた質問をひたすら聞かないこと。お客様が疲れてくる様子を察したら、簡潔にカウンセリングを終わらせる。
5.最終の確認をする
カウンセリングはとにかくお客様にたくさん喋らすことを心がける。最後まで美容師のペースにもちこまない。
・ありません、と表情良く答えるお客様
→いろいろ聞かれすぎて、疲れている。悪い気はしないが、頼りない美容師に思われがちなので気を付ける。
・(一瞬考えて)…大丈夫です、と答えるお客様
→こちらに少し委ねる気持ちを持てたお客様。その後も何かお客様が質問しやすい空気を作る。
・すぐ「ここが〇〇なんです」と答えるお客様
→自分のペースを崩さず、気を使わないお客様。言いたいことが言いやすい空気なので、あとは信頼。
・(一瞬考えて)…ここは…〇〇ですか?と質問するお客様
→あまり自分の主張をしないお客様。今まで聞いた質問よりも、この最後の質問は割と重要度が高い。
・お客様の来店のポイントとなる部分(くせ、量、白髪、ダメージ…etc)をハッキリ言葉にする。
・実はこの言葉は説得力があるようで、お客様の期待を上回ることはできない。アフターカウンセリング(施術中)で挽回を。
カウンセリングは人と人とのコミュニケーションなので、お客様の本音を引き出すために、もしくは魅力ある美容師として信用してもらえるような駆け引きが必要です。
その駆け引きは、ちょっとした心理学の知識があるだけで、非常にスムーズに行えるのです。
お客様とのコミュニケーションとして使える心理学の技術を応用し、お客様の心理をコントロールできるようになりましょう。
なんとなく気の合う人、一緒にいて心地の良い人とお客様に感じさせ、警戒心をとく技術。
相手のしぐさや動作・言葉・声のトーン・声の大きさ・間などをさりげなく真似し、相手に同調することにより安心感を与える効果がある。
・髪を触る
→お客様が髪を触ったら、その後別の話をしながら、同じように髪を触る。わざとらしく見えやすいので、必ず数秒空けてからミラリングする。
・うなずき
→うなずきながら返事をするお客様には、同じように首をうなずかせながら返事をする。この時、口をかたく閉じての返事は拒絶の印象を与えるのでNG。
・手の動き
→喋るときに手が動くひと(施術中はあまりありませんが)は、自分の主張を伝えたい気持ちが大きいので、自分も大きな動きで反応をするのが好ましい。
・腕と手の位置
→ブースでのカウンセリング時など、腕組み(※)したり、ひざに手を置いたりする状態を同調させる。ヘアカタログを持ったら、自分も手に取る。
(※腕組みは基本的に“相手への拒絶”を意味するので、まずは相手の喋りたいことをもっと引き出すことから始めると良い)
人は感情を隠そうとする時、知らず知らずに手の仕草として本音が出てしまうものである。
・口元、あごにに手をやる
→嘘をついた時、もしくは本音とは違う意見を言った時。何かを言いたいとき。
・頭、耳、頬を掻く
→なんと答えたらいいかわからない、返答に困る。美容師に対して恥ずかしさや気まずさを感じている。
・見てない雑誌、携帯を常に持っている
→空間に安心できてない。何かを握ることで不安をまぎらわせる心の表れ。
・拳を握りしめている
→少し警戒している。美容師の技術に集中して注意を払っている状態。
・手を腹のあたりで組んでいる
→完全にリラックスとまではいかないが、美容師に身を預けても良い、と思っている。
・手がだらりとして半開き
→リラックス状態。もしくは髪の毛とは別のことに考えがいっている。
・指を動かしている
→何か言いたいことがある、もしくは不満を感じている。
・身体のどこかを掻いている
→どこか急にムズがゆくなるのは、拒絶の表れ。なにか気に障ることをした可能性があります。
→何かを説明する時、具体的な数字を入れて話をすると説得力が増します。
「40代女性の85%が…」「3か月経つと〇〇が〇〇なので…」
•社会的証明の原理
→他人の行動に自分もつられてしまう性質です。
「当店のお客様の〇割はスパをして帰られるくらい、気持ちいいと好評です」
→美容師以外の第三者(例えば別のお客様)の発する情報の方が、影響がある場合があります。
「この〇〇は口コミがすごくて…(実際に口コミ見せる)」「○○さん(その人の友達)が絶賛していました」
→利益をとるよりも、損をださないように考えがはたらき、重要度が上がる法則。
「このシャンプーを使えば良くなります」よりも「使わなければこうゆう弊害があるのをご存知ですか?」
→逆に興味がわいたり、気になってしまう。(カリギュラ効果)
「〇か月経って、髪が〇〇するまでパーマはしないでください。でもどうしても○○なら、ご相談してください。」
•未完成なものに期待を持たせて、記憶に留めさせる法則
→スタイルをわざと未完成にする場合が効果的。
「この部分をもう少し伸ばしていくと、より〇〇ですよ」「例えばここにさらにパーマをすると…」
by 美容理論.com