MHAパーソナルカットベーシック講座 2


✳️   カットの基本的知識


・フェイスライン(顔周り)


・ヘムライン(耳周り)


・ネープライン(首まわり)



● フォルム 


立体的な形。エアリー感のあるフォルム 。


● シルエット


平面的な外形。キレイなシルエット。



✳️ 造形美


デザイン構成の表現方法


(1)バランス…前か後ろのどちらかにボリュームがある。


(2)リズム…動きがある。


(3)ハーモニー…全体の調和、カラー、毛流


(4)ユニティ…統一性



✳️ 毛の性質(TEXTURE)


1.毛の伸縮性
長い毛ほど多く縮みます。以下が条件と特徴です。
・毛の重さ。
・短い毛が長い毛を押す。
・頭が丸い。
・実線部で切ると点線部まで上がる。
2.毛の流動性

短い毛が長い毛を押すという特徴がある。
・グラデーションがなぜ流れるのか?
 上の特徴から短い方から長い方へ流れる

✳️ カットの時必要な四大要素


(1)セクションの取り方。
・基本のラインを決めたらなるべくそのラインと平行な線を引くのが基本です。

(2)骨の位置(骨~骨)
・骨・目尻などの位置をつなげてカットすれば、条件が同じであれば何度でも同じカットが可能です。

(3)角度(手の上げ方・指1本~頭の高さ) ・指1本でも位置が変われば、カットのラインも変わります。あくまでも決められた位置・角度に手を置きましょう。

(4)シェ-プの方向
・頭頂部(トップ)は頭皮に垂直に真っ直ぐ引くことが基本、他はラインに垂直が基本です。
(但し角度は様々です)


✳️ カットに必要な5条件

(1)スライス 

縦、横、斜めスライスなど。

(2)ダイレクション

パネル(毛束)の方向。前方、後方など。

(3)エレベーション

パネルの高さ。15°. 30°. 45°など15°刻み。

(4)レングス

パネルの長さ。アゴの長さなど。

5. カットエンド

パネルの切り口。直線、ギザギザなど。

✳️ 目線


・必ず正しい目線でカットする事が肝心です。


● 直線を切ったとき(ボブ等)のチェック方法


(1)目線で見る。
(2)近くで見る。
(3)遠くで見る。(1m以上離れて見る。)
(4)利き目で見る。(片目ずつで見てみる。)
(5)上から見る。
(6)下から見る。(手鏡を下に入れて見る。)

これだけチェックできれば完璧です♪チェック前はしっかりとシェープ(ときつけ)しましょう。

✳️  面のとらえ方

・頭を四角形と考える方法と八角形と考える方法がある。

・基本的にカット面は、平面でとらえる事とする。
・したがってラウンドさせたり、手の位置は変えてはいけない。(例外を除く)

基本的に真正面でカットすると、失敗が少なくて綺麗にカットできます。

真正面でカットするので手だけがあちこち動くのではなく、自分の身体が動くようにしましょう。

● モデルウイッグでの正しい位置

モデルウイッグを使ったときの目安の位置を覚えてください。
・イヤ-ツ-イヤ-パ-トは、耳上の中心を少しずらした位置より、真上に上げた線をコ-ム1枚分後ろへずらした位置を結んだ線。
・正中線を襟足より下の方へ1/3の位置がファーストボーン、2/3がセカンドボ-ンです。
・耳上はウイッグの耳の中心を少しずらした所がウイッグでの耳上の位置。
(人間は耳の幅を3等分して、後ろから1/3の所。)
・ストレ-トをカットする時は、30度前方へ傾ける。(サイドも同様)

✳️  段差構成の基本技法

カットは計算してつくる!

(1)ワンレングス
ONE LENGTH(同じ長さ)

・自然に落ちる位置、又は、地肌につけてカットする技法。ヘムラインからカットする。

・毛流が一定して段差がほとんどない。

・直線、曲線のラインを形成。

・1次元、点から点の線ができる。

(2)グラジュエイション
GRADUATION(目盛)

・頭皮、又は床に対して45°に引き出しカットする技法。下から上にカットする。

・毛の重なりが狭く、段差が小さい。

・ボリューム、ウエイト、横の流れを形成。

・2次元、切り口で縦横、幅と高さの平面ができる。

(3)レイア-ド
LAYRD(段層)

・頭皮、又は床に対して平行、垂直に引き出しカットする技法。上から下にカットする。

・縦の重なりが大きく、段層になる。

・軽さ、高さ、動き、流れを形成。

・3次元、幅、高さ、奥行ができる。

※ エラスタンシティ
テンション、伸縮性によるグラジュエイション。

カットする前に、仕上がりのイメージを描くこと。 そして、長さを決定します。
コーナーやグラジュエイションの変化でスタイルが形成されます。
確かな理論には、本物の技術がともないます。

●身長とレングス
●顔型とシルエット
●顔のパーツとフォルム 
●体型とライン

✳️  グラジュエイションの種類

1.ライトグラジュエイション

前方に引き出してカットします。バックを軽くしたいときに用います。

2.ヘビ-グラジュエイション

真下に引いてカットします。バックを重くしたいときに使います。

3.アップグラジュエイション

・引き出し方は1.2と同じです毛束を持つ手を返してアウト気味にカットします。手の甲でカットします。このようにカットすることにより毛束が徐々に段を付け髪全体が外に行こうとします。主に外巻になるようにカットしている。

4.ダウングラジュエイション

毛束を持つ指を返しシザ-も裏むけに返し床と平行にむけてカットする。0度のグラジュエイションがつきます。

5.ツイストグラジュエイション

縦スライスにセクションを取りその手を90度にひねる。セクションの中程がふくらんで出るので、 そこをカットしましょう。ボブのチェックなどで使います。元に戻すと中程からえぐれた感じになります。

6.ラウンドグラジュエイション

・第一セクションからブロックごとにラウンドさせてカットさせて行き、第二セクション第三セクションごとにずらして角を取っていくようにカットするグラジュエイション。丸いグラジュエイションがつく。

7.コンケ-ブとコンベックス

V字になったくぼんだ角をコンケ-ブ、 出た所をコンベックスと言う。従来のレイアードでは出せない質感が出せます。レイアード以上のボリュームが出ます。

8.スク-プカット

指先に力を入れて下からカットするのが ポイント。もっとボリュームをつけたいときに使います。特にクラウン(後頭部)にボリュームが出ます赤丸の部分に力を入れましょう。

9.ブレンズグラジュエイション

・最初に180度、次に90度、0度とグラジュエイションをミックスさせてカットする方法です。
(例)①普通のレイヤード等   ②エレベーション等


● 



✳️ スライスラインの考察

● 姿勢(カットフォーム)


1.円運動を心がけましょう。
2.肘をはり、外切りは胸と頭が45°、内切りは正面になるよう大きく見せましょう。
3.膝の屈伸、足幅を調節し、お尻が出ないように背筋を意識しましょう。

※ 鏡を見てカッコいいフォームを意識しましょう。

1.シザ-の持ち方


・ネジのある方を上にして、静刃の方に薬指の第二間節の手前まで入れて刃先を直角に向け、動刃の方に軽く親指を入れる。

・基本的に持ち方は、4種類あります。人差し指の位置の違い。親指だけを動かすようにします。

・直バサミをする時は、親指を第一関節に、薬指は軽く入れます。親指は固定し、薬指を動かします。

2. シザーの選び方

・シザーのサイズは、基本的に人差し指や中指と同じぐらいの刃の長さの物を選びましょう。

・6インチ以下のシザーは、使いやすく色々なテクニックに対応できます。

・6.5インチ以上の大きなシザーは、刈り上げや厚切りができ、早い仕事ができます。

・ハンドル(持ち手)の形状がメガネタイプやズレているタイプがあります。

・刃とハンドルの長さや重さのバランスで自分にあった物がいいです。

・刃の形状や材質により切れ味が違います。コバルト以上のいい物だと高価ですが長切れします。

・アール状のシザーもあり、ストロークに向いています。

3. セニングシザーの選び方

・セニングシザーは6インチ。抜けのいい物を選んでください。

・歯の形状や歯数により、スキ率が違います。

・スキ率が15%と25%の2本あればいいです。

・ハンドルの形状や材質はシザーと同じです。

4. シザ-の入れ方

・手のひら側の中指と薬指の間に刃先を固定してカットしましょう。

・手の甲側では、人差し指や、中指に刃先を固定します。

・刃先が浮かないようにしてください。



5.コ-ムの持ち方

・基本的に親指と小指はコ-ムの下に入れ、後は上にしコ-ムをはさむように持ちましょう。

・安定感のある持ち方が大事です。

6. コームの選び方

・長さは標準的とロング、ビックとあります。

・コームの歯数で密歯と粗歯があります。

・密歯はテンションがききます。粗歯はノンテンションに向きます。

・持ち安く使いやすいものを選んでください。


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✳️ ハサミ研ぎ

ハサミの研ぎは、メーカーに出すのが一番安心です。